「ルイビトンカップ、ラウンドロビン2」
ニュージーランドに行ったついでに、アメリカズカップを見てきました。っていうか、アメリカズカップの予選ともいえるルイビトンカップなんですけどね。
ご承知のように、アメリカズカップは1対1の戦いなのでわりとあっさりと終わってしまいますが、ルイビトンカップの方は11チームが出場して、4カ月の間、ほぼ毎日といってもいいくらいレースが続きます。
総当たりのラウンドロビンが3回あり、6艇に絞って準決勝を。それを勝ち抜いた2艇でやっと決勝を行うというぐあい。
となると、アメリカズカップのほとんどの部分は、この挑戦艇を決めるルイビトンカップにありと言っても良いくらい。で、この間、当のニュージーランドチームはまったく出てこないわけですから、地元オークランドっ子にとっては、どうやって大騒ぎして良いのか分からないって感じですな。
僕は、ニッポンチームの電脳系装備についてと、インターネットを通じてレースのもようをライブ放送する「バーチャルスペクテイター」を取材。『KAZI』2月号に掲載予定ですからお楽しみに。その前にバーチャルスペクテイターのソフト、購入しておいた方がいいかも。
ラウンドロビン2は強風のレースが続き、<ヤングアメリカ>が折れて沈みそうになったり、<阿修羅>のマストが折れたり、期待薄だった<アメリカトゥルー>や<スターズ&ストライプス>が大躍進し、アメリカの底力を見せつけられたりと、なかなかおもしろかったです。
ま、例によって抗議合戦は続いており、そのあたりどうにかならんもんかなぁ。なんて思いますが。
だいたい、こんな大きな国際試合で「ルールがちゃんと決まっていない(毎回いろいろ変わる)」なんて競技他にないですよね。
で、みんなで食事しているときに、カメラの矢部さんが、
「うん、そうだ。高槻さんが本部船に乗ってレースの運営ぶりを取材するっての、どうです?」との提案。
「いーっ、やっぱさすがに断られるんじゃない?」
「そこは一つダメモトで」
と、矢部さんという人は、きわめて紳士的な人なんですが、「立入禁止と書いてあっても、怒られるまではズンズン立ち入る」というタイプの人。さすがカメラマンってのは、こうでなければ勤まらないのかも。あるいは、長年カメラマンをやっているとそうなるのか?
なにはともあれ、我らの手下(元クルージングワールド編集者)の西朝子がメディアセンターで働いておりまして、まずは彼女がレース運営を行っているバックランズビーチヨットクラブへコンタクト。みごとに秘書とのセッティング完了。続けて舵社一の英語力を誇る矢部さんが直接交渉。結果、いとも簡単にOKが出ちゃいました。
但しカメラマンはいかんということで、ワタクシ単身この巨大なイベントの海上運営司令塔ともいえる、レース委員長ビンス・クック氏乗り込む本部船に潜入、密着取材をしてきたというわけ。
レース艇上の運営ぶりはカメラに収めたのですが、なんせ抗議合戦の様相を呈しているこのレース。本部船の上でへたにカメラなんか構えていたら「ニッポンのスパイが乗っていたから、今日のレースは無効だ」なんて抗議が出かねません。我らがニッポンチャレンジャー諸君に多大な迷惑をかけては申し訳ないので、心して望みましたね。
で、結果、おもしろい記事が書けましたぜ。やっぱり、ものみな身近に振れてみないと分からないもんですよね。感謝to矢部、西。
これも、『KAZI』月号に掲載予定です。お楽しみに。
と、今回はほとんど宣伝って感じ?