「ニッポンチャレンジに幸運を」99/09/08

 アメリカズカップに挑戦するニッポンチャレンジチームの壮行会に行って来た。
 過去2回はいずれも予選ともいえるルイビトン・カップで負けている。……って、2回や3回の挑戦で勝とうなんざアマイのよ、と言われてしまうくらい、それはそれは重みのあるカップなのだ。
 で、今回3回目の挑戦ということになる。

 以前はヨットのクルーというと、時化の海を乗り切り丁稚奉公のような生活に耐える精神力や根気、あるいは持久力が必要とされていた。
 ところが、アメリカズカップで用いられるヨットは巨大で、それを操るには大きな体と圧倒的なパワー、筋持久力等、優れた運動能力を持つクルーが必要になる。しかし、そんなヨット乗りは当時の日本にはほとんどいなかったのだ。
 で、最初の挑戦時にはクルーは一般公募し、ラグビー選手などを中心に広くスポーツ界から集められた。ヨット経験などまったくないスポーツエリート達を集めて、豪華なヨット教室が始まったというわけ。
 ということで、普通にヨットに乗っている我々からしてみたら「なんだか身体の大きなアンちゃん達」という認識しかなかったのだ。ちょっと遠い存在であったともいえる。

 あれから約10年。英才教育を受け多くの経験を積んだクルーたちは、期待通り大きく成長。ヨット乗りとしても一流に育った。
 アメリカズカップ後も、彼らは率先して「普通の」ヨットに乗り込み、「普通の」レースにも出場。その経験を多くの「普通の」セイラー達に広めていった。そして今では、日本のヨット界に広く根を張ったといっても良いと思う。
 3回目の挑戦になる今回は、まさに「俺達の代表」としてのニッポンチャレンジという感じがするのだ。


nippon1jpg.jpg (11947 バイト)

 こうして振り返ってみると、ニッポンチャレンジの存在は、日本のヨット界に「スポーツ種目としてのヨットレース」という風を吹き込んだといってもいいんじゃないかと思う。
 彼らのヨットレースに対する情熱というのは、そりゃまあすごいものがある。ここで僕が、
「頑張ってね」
なぞといわなくても、当然頑張っちゃうに違いないので、ここは一つ、
 幸運を祈る!!」
                  といっておこう。

 敵は手強いぞ

 

 

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