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「間違いだらけの虎の巻」

舵誌3月号の『外洋ヨット虎の巻』は間違いだらけなのです。なぜなら、校正分をまったく反映させずに印刷に回してしまったから。

一応、4月号で訂正記事が出るのですが、とてもじゃないけど書ききれないほどの間違いがあります。大変申し訳ありませんが、誌面だけでは舌足らずなのでで、ここでまとめて解説します。

1ページ目======================================================
まずはタイトルが違います。
当初、ワタシが書いた原稿では「その他の装備(前編)としたのですが、編集サイドで「タイトルが変」という意見が出て「居住/電気装備」に変更されましたが、これだと次はエンジンの話なので、後編はありません。


2ページ目======================================================
中列 下から14行目-------
……内に入り、沈んでしまうからだ。
 ↓
……内に入り、最悪の場合には沈没してしまう危険があるからだ。
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これだと、なんだかロッカー内に入れた備品が沈んでしまう……ようにも読めてしまうので。
また、デッキロッカーは水密になっていない船も結構多いので、「最悪」を入れておかないと、水密になっていないヨットはすべて危険ととられメーカーに苦情が行くかもしれない。で、ここで「最悪の場合」と入れておきたい。普通の沿岸航海なら、ロッカー下部が水密になっていなくてもまあ、沈みはしない。
ただし、初期のJ/24はこれで実際に沈没した事があるので、今のモデルのJ/24ではロッカーはすべて水密になっている。
完全に裏返しになったときはお椀のようになるので、意外とここから水が入ってくることはないようだが、90度傾いた時に、ここから大量の水がキャビン内に入り込む危険があるのです。
が、あくまでも「最悪の場合」沈没するという事で。どんな船でも「最悪の場合」は沈没しますけどね。

3ページ目=====================================================
中列 下から13行目-------
1杯3リッター……
 ↓
1かき6リッター……
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適当に3リッターと書いてしまったが、その後、我が家にある標準的なサイズのバケツで正確に計測した結果、バケツ1杯は9リッター。水を掻き出す場合は満タンでは辛いので、1かき6リッター程度の排水能力になると思われます。よってここは「1かき」なら6リッター、「1杯」としたいなら9リッターという事になります。

ワタシの場合、とりあえずざざざーっと原稿とイラストを書いて提出。レイアウト次第で原稿が足りなかったり削らされたりするので、こういう細かいことはレイアウトが上がってから再度確認して校正する事が多いのです。
で、今回はその校正した分をすべて反映させるのを忘れて印刷所に回してしまった、という事なのです


5ページ目======================================================
上左写真キャプション--------
船底に通じるスルハルに付いているシーコック。これで閉じている状態
 ↓
船底に通じるスルハルに付いているシーコック。ホースが90度曲げられているので、これで閉じている状態
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この前の文章で、ホースと平行で開くとあり、しかしこの写真を見ると「全然平行じゃないじゃん」と」混乱する読者がいると思うので


中列 上から14行目----------
 そして、電気の仕事量を電力といい、これは電圧×電流で表される。単位はW(ワット)となる。
 ↓
 そして、電気エネルギーの仕事率を電力といい、これは電圧×電流で表される。単位はW(ワット)となる。
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これも、もう一度ちゃんとしらべたら、電力=仕事率、仕事量=電力量なんだそうな。電力量の単位はWh(ワットアワー)になります。ここではワットだから、電力=仕事率の事になります。したがって「仕事量を電力といい」は違ってます。
ま、この方がイメージとしては分かりやすんですけど。仕事率って書くと、なんだか堅苦しくなってしまうので、「電気エネルギーがする仕事を電力といい」なんて表現がアバウトながら分かりやすいかも。

このあたり、書くの難しいんですよね。単に正しければ分かりやすいかというとそうでもなかったりして。正確さのみを追求していくと、教科書みたいになっちゃって誰も読んでくれなくなったりして。

右列 下から12行目----------------
 バッテリーの電圧は電圧計でチェックできる。元気な状態が約12.5V 。電圧が下がってきたら、たとえ帆走中でもエンジンをかけて充電しよう。
 ↓
 バッテリーの状態は電圧計でチェックする。充電中は14〜13V。元気な状態が約12V。11V以下に下がったら、たとえ帆走中でもエンジンをかけて充電しよう。
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これだと、12.5Vを割ったらすぐチャージと読めてしまうので。実際は、ちょっと使い始めたらすぐに12V割りますね。で、変更。


6ページ目===========================================================
最後のイラストがめちゃめちゃ。こちらでイラスト書いて出しているのですが、レイアウトの段階で、並びを綺麗に見せようと枠の大きさを揃えたりしてしまったようです。それぞれの枠の大きさや重なり具合が違っていて、それを揃えちゃうと余計意味が分からなくなってしまうのですが。

レギュレーターの文字がスターターモーターになっていて。これも間違い。

陸電(ショアパワー)の文字が抜けてます。これは大きな間違い。
本来、本文で陸電について詳しく書いたのですが、誌面の都合ですべて削除。となるとこのイラスト自体がちょっと合わないんですけど、この図から陸電の文字をのぞくと、もうまったく意味不明になってしまいます。インバーターの説明も本文から削除されたので、陸電の文字を省くなら、バッテリーチャージャー、インバーター、交流機器、等全部取らないと。

左下のキャプション
交流

交流(100V、120V、230V等)
としたかったのです。陸電の項に書いてあったんだけど、本文から削除されたので。

陸電の説明がすべてはみ出た時点で、電気装備の部分をまるまる次号に回して居住の項を書き足そうという提案もしたのですが、時間が無いという事で却下。ワタシの方は原稿書けても、それから編集レイアウトとなると、確かに時間的な余裕は無かったのでしょうが。

いずれにしても、適当に省いたのでこの辺りの説明が大変分かりにくくなってしまいました。
単行本化の時にこの辺りは大幅に書き足します。


一番最後----------------------
次回は第6章の後編、エンジンについてしっかり学んでいく。
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次回は第6章 エンジンについてしっかり学んでいく。
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これもタイトルが変更になったので、それに合わせてこちらも変えないと。


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以上、これほどたくさん間違いがあります。
これまで、校正をしっかりやったつもりでも、ミスが残ってしまったことは何回もありました。けしからん事ですが、なかなか間違いゼロにはできないのです。
思い出す所では、<カラス>(J/V43)の建造をクックソンとしてキャプションを書いてしまった事もありました。ホントはマーティンです。
これは、開いたスペースに、編集者が写真を入れてキャプションも勝手につけたちゃった為。ワタシはまったく見せられてもいなかったんですけどね。その時のミス。ハズカシー。
ま、<カラス>のオーナーは紳士なので、何も言われませんでしたけど、「あいつ分かってねーなー」と思っているかな。
ま、結構あるんです、そんな間違い。

でも、今回は校正した分をまったく反映させるのを忘れたという大ミスです。おかげで、簡単には訂正できないような量の間違いが出てしまいました。

今後はこういう事がないように、しっかりと仕上げますので、今後も虎の巻シリーズをよろしくお願い致します。

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